Forever Goldがあまりにも良すぎた話
注:
このエントリーには、セクシーゾーン ドームツアー2022 ザ・ハイライトのネタバレが含まれます
だいぶ記憶があやふやにはなっているものの、物心付いた頃(ざっくり表現)に80年代をリアルタイムで経験している。シティミュージックはレトロどころか当時の流行、松田聖子やらおニャン子クラブやら中森明菜が現役バリバリだった頃だ。それこそ金屏風事件もリアタイで、おっとそれ以上はいけない。
80年代ごろの文化や音楽がレトロポップなものとしてリバイバルヒットしていると聞いてはいた。とはいえ、自分に取っては過去のものが若い世代には「馴染みのない新鮮なもの」としてウケていると言われてもピンと来ないというか、へえぇ…と他人事のような感心くらいしかできなかったのである。
なのでSexy Zoneの2年4ヶ月ぶりのオリジナルアルバム「ザ・ハイライト」のテーマが80年代楽曲と聞いても、マジで流行ってんだなとか、たぶん感度高い人たちから見たら良いコンセプトなんだろうなとか、相変わらず全くピンと来ていなかったのだ。
とはいえ新アルバムは当然嬉しかったし、THE FINESTのMVが発表された時はあまりのスタジオぴえろ感にひっくり返った。正直、今でもあのMVを作ったのがスタジオぴえろでないことが信じられない。
同じように、Forever Goldも80年代の再現性の高さに唸りはした。ただ、言うなればセクシーたちによる80年代のコスプレを見ているような感覚で、歌詞の内容もあの頃っぽいなとしか捉えられていなかったのだ。
ドームツアー2022 ザ・ハイライトに入るまでは。
Sexy Zone待望のドームツアー、ザ・ハイライトは、詳細は伏せるがしょっぱなから観客の涙腺と情緒をがつんと揺さぶってきた。そこからはザ・アリーナをよりブラッシュアップをしつつ、節目にふさわしい内容のコンサート。その終盤、With Youから始まるハイライトメドレーが流れ始める。メドレーのラストを飾るのはフル尺の勇気100%だ。セクシー本人たちは外周でリフターに乗っている中、センターステージで踊るのはデビュー当時の衣装の衣装を着たJr.たちなのだ。
ひどくない?!?!(誉め言葉)ヲタクが末期に見る夢か????? ぶっちゃけこの演出の時点でだいぶん涙腺とか情緒はまたもやぐずぐずになっている。
勇気100%の曲終わり、センステに集ったセクシーたちとハイタッチを交わし、デビュー衣装のJr.ちゃんたちがハケていく。いやだからヲタクの末期の夢か?余韻と動悸が静まらないまま、それでも双眼鏡は構えたところにForever Goldが始まった。パフォーマンスが進むにつれて、あれ?と思った。この曲、こんな胸に迫ってくるような曲だったか? 思わず双眼鏡を下ろして、更に息を呑むことになる。
センターステージをガン見していたので気付かなかったが、いつの間にかモニターには昔のセクシーたちの映像が流れていたのだ。おりしも曲は2番、風磨パート。
「守るものはできたかい?」
慈しむようなその歌い方で、モニターに映る若かりし自分たちの姿を愛おし気に見つめる表情で分かる。
いつの間に いつの間にかあなたには守るものができて それは自分のプライドやらなんやらでなく 他でもない今同じステージに立つ、そして離れていても変わらずグループであるみんなで いつの間にか。
あのクソクソ問題児がよくぞそこまで真っ当に立派に育って……
もうこちらの情緒はえらいこっちゃだ。以降はもう、全ての歌詞が突き刺さってくる。
ダサいなりに本気だった甘い日々たち。心満たす Memories。振り替えるハイライト。
これまでの彼らの道のり全てと、そして今、この時。ドームツアー2022「ザ・ハイライト」に立つ姿そのものを描いた歌詞のようにダブルミーニングで突き刺さってくる。
どういう天の采配があれば、ここまでドラマチックな場面が生まれるのだろう。
繰り返して言うがこちらの情緒はえらいこっちゃだ。だって、Forever Goldがこんなにも、まるで等身大の彼らの歩んできた道そのものを象徴するような曲だとは全く気づいていなかったのだ。
これは別に私ひとりがことさらに鈍かったというわけではなく、17日の公演が終わった直後にはForever Goldについて言及するツイートがざくざく流れていた。うちのひとつを勝手にお借りさせていただく。
まあ、多分行った人が口揃えて言えるのは「Forever Goldがまさか泣く曲だとはまったく思ってなかった」です。
— グレ (@fuma_ha_daifuku) 2022年12月17日
ですよね?????
正直、我々は彼らの戦略にまんまと負けたのだと思う。曲のポテンシャルを完全に見誤っていた。というか、見過されていた。ドームコンの披露で最大限の効果を発するように誘導されていたのだ。でなきゃ誰かひとりくらいはアリーナ時点で泣かせ曲だって気づかない? ちくしょうやられた。
ところで私のTLには一定数いるであろう、ぞんちゃん(Twitter内ではだいたい脳直でこう呼んでいる)を孫と思ってはいるがCDや円盤までは買っていないオタクたち。
Forever Goldの視聴はつべにあります。
しかし、上記の「守るものはできたかい」「ダサいなりに本気だった甘い日々たち」のフレーズはCDでしか聴けません。
セクシーゾーン ザハイライト CD - Google ショッピング
買え!!!!!*1
*1:でもCDでのふまたんの歌い方、生とぜんぜん違うんだよな……やっぱりドームの円盤出たらそっちも買わないと真髄は分からないと思う……